「部分入れ歯で硬い物や弾力のある肉が噛みづらい…」
「部分入れ歯がずれたり外れることが多い…」
「部分入れ歯が気になり、心から食事やレジャーを楽しめない…」
上記のような、部分入れ歯の噛みづらさや入れ歯のずれ・外れでお悩みの方は少なくありません。
失った歯を補う方法(=補綴治療:ほてつちりょう)には部分入れ歯のほか、インプラント、ブリッジがあります。補綴治療の中でも、特に多く見られるのが、部分入れ歯に関するお悩みです。
{部分入れ歯ではなく、インプラントで歯を補う方が増えています}
近年、日本においては、高齢化&歯周病などのお口の問題により、部分入れ歯ではなく、インプラントで歯を補う方が増えています(※)。
(※)厚生労働省「歯科疾患実態調査」(令和4
なぜ、部分入れ歯ではなく、インプラントで歯を補う方が増えているのでしょうか?歯科業界の推測では、部分入れ歯にはない、「インプラントの安定性の高さ」が、インプラントにする方が増えている理由の一つと考えられています。
噛みづらさ、入れ歯のずれ・外れでお悩みの方も多い、部分入れ歯。今回は、「部分入れ歯のデメリット」および「インプラントのメリット」をご紹介します。
目次
■部分入れ歯のデメリット
◎噛みづらさ、入れ歯のずれ・外れなど、部分入れ歯には少なからずデメリットが
失った歯を補う治療として、部分入れ歯は古くから一般的な方法の一つです。保険が利き、比較的安価に歯を補える点も、多くの方が部分入れ歯を選ぶ理由となっています。
古くから一般的な、保険の部分入れ歯。しかし、部分入れ歯には以下のようなデメリットがあります。
デメリット①安定性が低く、噛みづらい
部分入れ歯は取り外し式です。クラスプという金具を残っている隣の歯にかけ、部分入れ歯を使用します。取り外し式のため、3種類(インプラント(固定式)、ブリッジ(固定式)、入れ歯(取り外し式))ある補綴治療の中でも、部分入れ歯は安定性が低いです。
天然の歯の噛む力を100とした場合、部分入れ歯の噛む力の回復率は平均で30~40%程度に留まります(※)。
(※)平均の回復率です。患者さまやお口の状態により、噛む力の回復
率が異なります。平均以下の回復率になるケースもあります。
噛む力が弱いため、部分入れ歯では、歯ごたえのある硬い食べ物や、弾力のあるお肉などを噛みづらいことが多いです。
デメリット②入れ歯がずれたり外れることがある
部分入れ歯はクラスプという金具を、残っている隣の歯にかけて使用します。
金具をかける構造で取り外し式のため、部分入れ歯は使用中に入れ歯がずれたり外れることが少なくありません。特に、保険の部分入れ歯がフィットせず、入れ歯がずれたり外れるケースが多く見られます。
デメリット③金具をかけた歯が傷つくことがある
部分入れ歯は、残っている隣の歯に金具をかけて使用します。金具をかける構造のため、金具が歯のエナメル質を傷つけてしまうことがあります。
また、部分入れ歯で食べ物を噛む度に、金具をかけた歯が引っ張られて歯がひき倒される形となって負荷がかかり、歯・歯周組織がダメージを受けてしまうケースも。
デメリット④発音しにくいことがある
部分入れ歯は、入れ歯のずれ・外れにより舌の動きが邪魔されてしまい、発音しにくいことがあります。
デメリット⑤不自然な見た目になりやすい
保険の部分入れ歯は、レジンというプラスチック樹脂で作られています。プラスチック樹脂のため、保険の部分入れ歯は白く浮き上がったような、不自然な見た目になりやすいです。
不自然な歯の白さに加え、歯にかけた金具(クラスプ)がギラギラと光って見えてしまう点も、保険の部分入れ歯のデメリットです。
{自費の部分入れ歯は見た目に配慮した物も}
自費の部分入れ歯はセラミック製で自然な歯の色に近い物や、シリコン製で歯にかけるクラスプ(ウイング)が目立ちにくいノンクラスプデンチャーなどがあります。
デメリット⑥お手入れに手間と時間がかかる
部分入れ歯は取り外し式のため、毎日、入れ歯を取り外して洗わなければなりません。ご自身の歯の歯みがきに加え、入れ歯も洗わなければならず、お口のお手入れに手間と時間がかかります。
—–
上記が、部分入れ歯の主なデメリットです。デメリットが多いですが、費用面では、部分入れ歯は保険が利くため、比較的安価に歯を補えます。費用の安さに加え、部分入れ歯には、インプラントのような外科手術をせずに歯を補えるメリットも。
■インプラントのメリット
◎人工歯根に基づき、インプラントには高い安定性があります
噛みづらさ、入れ歯のずれ・外れなど、少なからずデメリットがある部分入れ歯(※)。
(※)補綴治療としての部分入れ歯を全否定するものではありません。
部分入れ歯の噛みづらさや入れ歯のずれ・外れ、発音のしにくさでお悩みの方は、インプラントがオススメです。
インプラントには、以下のようなたくさんのメリットがあります。
メリット①お口の中に人工歯根を作るため、安定性が高い
インプラントは、お口の中に人工歯根を作る治療法です。チタン金属でできた、ネジのような形のインプラント体を顎の骨に埋め入れ、人工歯根を作ります。
埋め入れたインプラント体は顎の骨と生体的に結合するため、非常に安定性が高いです。
天然の歯の噛む力を100とした場合、インプラントは平均で80~90%程度、噛む力を回復することが可能です(※)。
(※)平均の回復率です。患者さまやお口の状態により、噛む力の回復
率が異なります。平均以下の回復率になるケースもあります。
安定性が高い人工歯により、インプラントの治療後は硬い物や弾力のあるお肉もしっかり噛んでお食事を楽しめます。
メリット②固定式のため、人工歯がずれたり外れることがほぼない
インプラントは、顎の骨に埋め入れたインプラント体に、連結部品であるアバットメントを介して、人工歯を固定します。固定式のため、通常の使用でインプラントの人工歯がずれたり外れることは、ほぼありません。
メリット③残っている歯を傷つけない
インプラントは失った歯の箇所にのみ、治療を行います。残っている歯を傷つけません。
メリット④発音しやすい
インプラントは固定式のため、人工歯のずれ・外れがほぼなく、発音しやすいです。
メリット⑤自然な白さの歯に近づけられる
インプラントの人工歯は、光を透しやすく透明度が高いセラミック製です(※)。
(※)レジンや金属とのミックス素材の人工歯もあります。
透明度が高いセラミック製の人工歯により、透明感がある天然の歯のエナメル質のような、自然な白さの歯に近づけられます。
メリット⑥お手入れがカンタン
インプラントは固定式です。入れ歯のように、毎日取り外して洗う必要がありません。
インプラントの基本的な毎日のお手入れは、いつもどおりの歯みがき+歯間清掃で完了します(※)。
(※)インプラントとお口の健康を保つためには、毎日のセルフ
ケアに加え、歯科医院で受ける定期メンテナンスが必須です。
—–
上記が、インプラントの主なメリットです。意外なほど多くのメリットがあることに、驚かれた方もいらっしゃるのでしゃないでしょうか?
なお、インプラントはメリットが多い一方、以下のようなデメリットも。
・外科手術が必要
・外科手術に伴う、細菌感染のリスクが存在する
(衛生管理の徹底により、細菌感染のリスクを低減できます)
・保険が利かない自由診療のため、費用のすべてが患者さまの自己負担になる(※)
・治療後、セルフケアや定期メンテナンスを怠ると、歯周病の一種の「インプラント周囲炎」を発症する可能性がある
(※)先天性の無歯症など、国が指定する疾患に当てはまる場合は、
保険でインプラント治療を受けられるケースがあります。
【今後の人生における人工歯の役割を考えた上で、ご自身に合った補綴治療を選ぶことが大切です】
今回は、部分入れ歯のデメリット、および、インプラントのメリットを中心に、それぞれの補綴治療の特徴について、ご紹介をさせていただきました。
歯を補うときは、治療後の食生活や今後の人生における人工歯(義歯)の役割をよく考えた上で、ご自身に合った治療法を選ぶことが大切です。
「とりあえず歯が入ればイイや」「保険が利いて安いから」という、とりあえずの間に合わせ的な考え方で部分入れ歯を選ぶと、後々になって後悔する可能性も。
– 部分入れ歯やお口のことでお困りの方は当院までお気軽にご相談ください –
粟田歯科医院では、すべてのインプラント治療は院長がオペを行います。
ISOI(DGZI)の指導医・専門医の資格を持つ院長により、安全性と正確性を高めたインプラント治療をご提供いたします。顎の骨を増やす骨造成、および、治療期間を短縮できる抜歯即時インプラントにも対応可能です。
「部分入れ歯の使い心地の悪さで困っている」
「歯周病で口の中がガタガタな状態でも、インプラントはできるのか知りたい」
など、部分入れ歯やお口のことでお困りの方は当院までお気軽にご相談ください。相談費は無料です。カウンセリングのご予約はお電話・WEBにて承っております。