ボーンリダクション(骨削除)について|淡路島(淡路市・洲本市)の歯医者|粟田歯科医院

ブログ BLOG

ボーンリダクション(骨削除)について



オールオンフォーの対象となる患者様は重度の歯周病や加齢などが原因で顎の骨量が少なく、骨造成が必要になるケースが多いです。


前回のブログで骨造成のご紹介をしたところ、インプラント治療をお考えになるも顎の骨が足りずに悩んでいる患者様から、多くのご反響をいただきました。


骨造成で骨を増やして顎の骨量を確保すると共に、もう一つ、インプラント治療で重要な補助手術に顎の骨を削って平らにならす「ボーンリダクション(骨削除)」があります。


今回は、オールオンフォーの患者様で必要になることが多い「ボーンリダクション」についてご説明します。


■ボーンリダクションとは


◎顎の骨を削り、平らにならす処置です

ボーンリダクションとは、顎の骨(歯が植わっている歯槽骨)を削り、骨を平らにならす処置です。


英語で「Bone Reduction(骨を削る(削減する))」と書きます。日本語では「骨削除(こつさくじょ)」または「骨切除」「骨削り」とも呼ばれます。


ボーンリダクションでは麻酔後、歯ぐきを切開して顎の骨を削り、骨を平らにならす処置を行います。切開後は歯ぐきを閉じ、患部が治癒するのを待ちます。


■オールオンフォーでボーンリダクションが必要になることが多い理由


オールオンフォーでは骨造成で顎の骨を増やすと共に、多くの場合、顎の骨を削って平らにならすボーンリダクションが必要になります。ボーンリダクションが必要になるのは、以下のような理由があるためです。


①骨を増やすだけでは顎の骨がデコボコのままのことが多いです


オールオンフォーの患者様は重度の歯周病などにより顎の骨量が不足していることが多く、骨造成で顎の骨を増やさなければならないケースが多いです。


骨造成で顎の骨を増やすことで顎の骨の高さや幅が確保され、人工歯根であるフィクスチャーを安定させやすくなります。


顎の骨が足りない場合、フィクスチャーを安定させるためには骨造成が欠かせません(※)。ただし、骨造成だけでは顎の骨がデコボコ(ガタガタ)で高さが不揃いになったままのことが多く、オールオンフォーで用いる人工歯をしっかり顎の骨に固定できないおそれがあります。


(※)患者様や顎の骨の状態により、骨造成の必要性が異なります。

小さなフィクスチャーを用いるなど、工夫をすることで顎の骨が

少ない場合でもインプラント治療を行えるケースがあります。


②骨を削って顎の骨を平らにならすことで人工歯を安定して取り付けられます


骨造成で顎の骨は増やしたものの、インプラントを埋め入れる噛み合わせ面の顎の骨がデコボで高さが不揃いになっていたのでは、人工歯を安定して取り付けられません(デコボコした地面に物を置いても安定しないのと一緒です)。


ボーンリダクションによってデコボコした顎の骨を削り、平らにならしてあげることで人工歯を安定して取り付けられます。安定性の向上により、治療後、長期にわたって食べ物をしっかり噛み続けられるようになります(※)。


(※)オールオンフォー、および、お口の健康を保つためには毎日の

セルフケアと歯科医院で受ける定期メンテナンスが必須です。


③顎の骨を削ることで歯周病に侵された病巣部分の骨を除去します


骨を平らにならすと共に、ボーンリダクションには顎の骨を削ることで歯周病に侵された病巣部分の骨を除去する役割もあります。


中程度~重度の歯周病になると歯ぐきの炎症や化膿が起きるほか、歯を支えている顎の骨が歯周病菌などの細菌に侵されて溶けていきます。細菌に侵された顎の骨は病気にかかった状態です。骨が病気にかかったままの状態でオールオンフォーを行うと、治療後、細菌に侵された顎の骨から歯周病が再発するおそれがあります。歯周病の再発により、顎の骨が溶けてフィクスチャーが抜け落ちてしまう可能性も高まります。


ボーンリダクションで顎の骨の病巣部分を削ることで骨を侵している細菌が除去されるため、治療後、細菌の取り残しによる歯周病が再発しにくくなります。歯周病の再発リスクの低減により、フィクスチャーの保持・安定にもつながります。


◎骨造成・ボーンリダクションの手術で痛みは感じません


骨造成・ボーンリダクションの手術では麻酔をするため、手術中に痛みは感じません。ご安心ください。


ただし、骨造成・ボーンリダクション後、数日~1週間程度、患部が痛むことがあります。手術後の痛みは処方する痛み止めを服用することで抑えられるレベルのものがほとんどです。術後、痛み止めを飲んでもガマンできないほどの痛みが出ることはほぼありません(※)。


(※)手術後、ガマンできないほどの痛みがあるときは速やかに歯科医院にて

ご受診ください。原因を調べ、症状を緩和するための処置を行います。


{静脈内鎮静法でリラックスしながら手術を受けられます}


骨造成・ボーンリダクションの手術では麻酔をするため、手術中に痛みは感じません。しかし、患者様によっては手術に対して強いストレス・恐怖を感じてしまう方もいらっしゃいます。


どうしてもストレス・恐怖が強い場合は、静脈内鎮静法(じょうみゃくないちんせいほう)を行うことでリラックスした状態で手術を受けられます。


静脈内鎮静法とは、リラックス効果のあるお薬を点滴で患者様の静脈内に注入する鎮静法です。静脈内鎮静により、うたた寝をしているときのような、ウトウトした気分でリラックスしながら手術を受けられます。


なお、静脈内鎮静法は別途費用が必要です。静脈内鎮静法をご希望の方は歯科医師までお申し出ください。


■インプラントオーバーデンチャーでボーンリダクションが必要になるケースは?


◎顎の骨の状態によってはインプラントオーバーデンチャーでもボーンリダクションが必要になるケースがあります

顎全体をカバーするフルアーチインプラントには、オールオンフォーのほか、総入れ歯を用いるインプラントオーバーデンチャーがあります。


インプラントオーバーデンチャーとは、取り外し式の総入れ歯をインプラントの先端に連結する治療法です。


人工歯ブリッジをネジ固定するオールオンフォーと比べ、取り外し式のインプラントオーバーデンチャーは総入れ歯と歯ぐき・顎の骨とのあいだに多少の「調整可能な余裕」があります。


多少の余裕があるため、インプラントオーバーデンチャーでは顎の骨の形状に合わせて総入れ歯を作ることで大きな問題なく入れ歯を使える可能性があります。ただし、合わせられる幅には限度があり、顎の骨のデコボコが大きい場合は入れ歯の形を変えるだけでは顎の骨とのフィット感を調整するのは難しいです。


顎の骨のデコボコが大きい場合は、インプラントオーバーデンチャーでも顎の骨を削って平らにならすボーンリダクションが必要になるケースがあります。


【インプラント治療に関するご質問・ご不安がある方はお気軽にご相談ください】


粟田歯科医院では、すべてのインプラント治療は院長がオペを行います。


ISOI(DGZI)の指導医・専門医の資格を持つ院長により、安全性と正確性を高めたインプラント治療をご提供いたします。顎の骨を増やす骨造成、および、治療期間を短縮できる抜歯即時インプラントにも対応可能です。


「顎の骨が薄く、インプラントをあきらめている」

「歯周病で口の中がガタガタな状態でもインプラントはできるのか知りたい」


など、インプラントやお口のことでお困りの方は当院までお気軽にご相談ください。相談費は無料です。カウンセリングのご予約はお電話・WEBにて承っております。


粟田歯科医院
院長
⇒経歴はこちら

BLOGブログ

一覧
  • 2024.04.22
    「クリニックごとにインプラントの治療費が異なるのはなぜ?」 「処置費って、何の処置に対する費用なの?…[read more]
  • 2024.03.20
    「インプラントは安定性が高いって聞くけど、何で?」 「そもそも、インプラントってどんな構造でできてい…[read more]
  • 2024.02.20
    ネットを検索すると、インプラントに関して以下のようなネガティブなキーワードがでてくることがあります。 …[read more]