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持病があっても、地元で歯の治療を諦めないために
骨粗しょう症のお薬を服用中の方や糖尿病をお持ちの方から、抜歯などの外科処置に不安を感じるというお声をよくいただきます。「淡路市から大学病院まで通うのは負担」という声も届きます。本記事では、内科主治医との連携や設備を活かした持病に配慮する歯科治療の考え方を、歯科医師の視点でお伝えします。
この記事の要点まとめ
- 骨粗しょう症薬や糖尿病でも、内科主治医との連携により地元で外科処置を検討できる場合があります。
- CTやバリオサージなど設備を活かし、リスクに配慮した精密な治療計画を行っています。
- 受診前はお薬手帳と検査数値の準備、当日の服薬確認、術後の体調観察が大切です。
骨粗しょう症・糖尿病の患者さまが抜歯などの外科手術で抱えるリスクとよくある誤解

「薬で顎の骨に影響が出るのでは」「糖尿病だと傷がふさがりにくいのでは」。こうした不安の多くは、正しい情報が十分に届いていないことから生まれます。まずは、実際のリスクとよくある誤解を整理してみましょう。
骨粗しょう症治療薬(BP製剤など)の服用と抜歯後の「顎骨壊死」リスク
ビスホスホネート(BP)製剤などの骨粗しょう症治療薬には、骨代謝に作用して骨密度を保つ働きがあります。その一方で、抜歯などの外科処置をきっかけに、まれに顎の骨へ影響が及ぶ「薬剤関連顎骨壊死」が報告されています2。ただし、服用中の方すべてに起こるものではなく、発生頻度は限られると考えられています。
ここで大切にしたいのが、自己判断で服薬を中断しないことです。休薬すべきかどうかは、薬の種類や投与期間、全身の状態によって変わります。内科主治医と歯科医師が情報を共有し、慎重に検討していくことが望まれます。日ごろから口腔内を清潔に保つことも、リスクを抑える基本になります。
糖尿病による術後感染リスクと「骨質低下」が及ぼす影響
糖尿病は、骨粗しょう症とも関わりの深い側面を持っています。高血糖の状態が続くと免疫機能が働きにくくなり、術後の感染症リスクが高まりやすいと考えられています1。歯周病が悪化しやすいことも知られています4。
さらに近年注目されているのが「骨質」という視点です。骨密度が保たれていても、高血糖の影響で骨質そのものが低下し、骨折リスクが高まる可能性が指摘されています1。傷の治りや骨の癒合への影響も含めて、血糖コントロールの状態を把握したうえで治療計画を立てることが望まれます。
大学病院でしか抜歯できない?「持病=紹介状」という誤解と地元での対応基準
「持病があるから必ず大学病院へ」と考えられがちですが、そうとは限りません。全身状態が安定していて、適切な医科歯科連携と設備が整っていれば、地域の歯科医院で対応できるケースもあります2。
判断のポイントになるのは、血糖コントロールの状態、服用薬の内容、外科処置の規模、そして緊急時の連携体制です。もちろん、高度な全身管理が必要と判断した場合は専門機関へご紹介します。淡路市にお住まいの方が通院の負担を抑えつつ安心して治療を受けられるよう、当院では一人ひとりの状態を見極めた判断を心がけています。
粟田歯科医院が実践する!持病に配慮した安全な外科治療と高度設備体制
持病のある方の外科治療でカギを握るのは、「連携」「設備」「管理」の3つです。当院が淡路市で取り組んでいる具体的な体制をご紹介します。
内科主治医との緊密な「医科歯科連携」による休薬・治療時期の共同判断
骨粗しょう症薬の休薬を、歯科医師が独断で決めることはありません。処方している内科主治医へ対診(情報照会)を行い、薬の種類や投与期間、全身状態をふまえたうえで、休薬の要否や手術の時期を一緒に検討します2。
こうした連携があることで、内科と歯科、双方の視点からより安心なタイミングで処置に臨めるようになります。淡路市内の内科に通われている方でも、書面でのやり取りを通じてスムーズに情報を共有できる体制を整えています。
傷口を最小限に抑える「バリオサージ」と精密診断を支える「歯科用CT」の活用
当院では、超音波振動で骨の処置を行うバリオサージを導入しています。周囲の軟組織への影響を抑えながら処置できるため、出血や術後の負担をやわらげることが期待できます。
さらに、歯科用CTによって血管・神経・骨の状態を3次元で把握し、処置範囲を事前に精密に計画します2。公式サイトでもご案内している通り、当院では歯科用CTや3D口腔内スキャナー「i-Tero」など、一般的な歯科医院には設置されにくい医療機器を積極的に取り入れ、精密な診断に努めています。
血糖コントロールに応じた周術期管理と術後の徹底した感染予防対策
糖尿病の患者さまの場合、手術前後(周術期)の血糖コントロールが治療の安全性に大きく関わります。直近の検査数値を確認しながら、状態に応じて処置の内容や時期を調整していきます4。
術後の感染を防ぐため、高圧蒸気滅菌器による器具の滅菌や、口腔外バキュームによる飛沫・粉塵の吸引など、無菌的な環境づくりを心がけています。当院は「患者さまの負担を最小限に抑えた丁寧な治療」を診療方針に掲げ、清潔で安心できる環境の維持に努めています。
持病をお持ちの患者さまが歯科を受診する前に準備・確認すべき3つのポイント
安心して治療に臨むためには、患者さまご自身の準備も欠かせません。受診の前に確認しておきたい3つのポイントをまとめました。
お薬手帳の持参と直近の内科検査数値(HbA1cなど)の把握
受診の際は、お薬手帳を必ずご持参ください。服用中の骨粗しょう症薬や糖尿病薬の種類・量を正確に把握することが、安心できる治療計画への第一歩になります。
あわせて、直近の血液検査の結果、なかでも血糖コントロールの状態を示すHbA1cの数値がわかると、より的確な判断につながります1。内科で受け取った検査結果の控えがあれば、ぜひお持ちください。
手術当日の内科薬(インスリンや血糖降下薬)の服用ルールと体調管理
手術当日は、糖尿病薬の飲み忘れや、逆に空腹での服用による低血糖に注意が必要です。食事のタイミングと服薬について、事前に歯科医師と内科主治医の指示を確認しておきましょう2。
体調がすぐれない日や血糖が不安定なときは、無理をせず日程の調整を。当日は前もって食事を済ませ、落ち着いた状態でご来院いただくことをおすすめします。
抜歯後の異常(出血・痛み・腫れ)に気づいたときの初期対応と当院への連絡方法
処置後にご自宅でできるケアもお伝えします。出血が続くときは、清潔なガーゼを噛んで安静にし、患部を強くすすがないことが基本です。腫れや痛みが強い、いつもと様子が違うと感じたら、我慢せず早めにご連絡ください。
当院では術後のフォロー体制を整え、気になる症状があった際にご相談いただける窓口をご用意しています。定期的なメンテナンスも、外科処置後の口腔内を良好に保つうえで大切な役割を果たします。
よくある質問
Q. 糖尿病などの持病があると、歯の手術は受けられないのですか?
A. 一概に受けられないわけではありません。血糖コントロールの状態が安定していて、内科主治医との連携や適切な設備が整っていれば、対応できるケースがあります。まずは現在の状態をご相談ください。
Q. 糖尿病と骨粗しょう症には関係がありますか?
A. 密接な関わりがあると考えられています。高血糖が続くと骨質が低下し、骨密度が保たれていても骨折リスクが高まる可能性が指摘されています。糖尿病の合併症的な側面として捉えることが大切です。
Q. カルピスなどの飲み物は糖尿病に影響しますか?
A. 糖分を多く含む飲料は、血糖値に影響を与える場合があります。飲み方や量については内科主治医や管理栄養士に確認し、日々の血糖コントロールの一環として管理しましょう。
Q. 骨粗しょう症の薬は、抜歯のために自分でやめてもよいですか?
A. 自己判断での中断は避けてください。休薬すべきかどうかは薬の種類や全身状態によって異なり、内科主治医と歯科医師が情報を共有したうえで慎重に検討します。
Q. 淡路市内で持病に配慮した外科治療を相談できますか?
A. 当院では医科歯科連携や設備を活かし、持病のある方の状態を見極めた治療を心がけています。通院の負担を抑えて地元で相談されたい方は、お気軽にお問い合わせください。
参考文献
1. 厚生労働省「健康づくりサポートネット(疾病・健康に関する情報)」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/
2. 公益財団法人 日本医療機能評価機構「Minds ガイドラインライブラリ」 https://minds.jcqhc.or.jp/
4. 日本臨床歯周病学会 https://www.perio.jp/
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